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考察編 by Hiroyuki

第1編 「雨ニモマケズ」

映画上映の際の宣伝チラシ(表面) 

初上映時とおなじものを使用した。賢治役の重森氏が描いたものである。
重森氏は、1940年公開の島耕二版「風の又三郎」でも縁のあった劇団東童に所属していた。
この「雨ニモマケズ」も劇団東童の協力のもとで作られている。

<映画「雨ニモマケズ」について>
賢治関連ということで筆者も映画「雨ニモマケズ」の上映に関わったので触れてみたいと思う。
平成14年(2002年)11月24日、筆者の住む福島県矢吹町で、町制百周年記念の一環として
昭和32年(1957年)製作の映画、「雨ニモマケズ」が上映された。
この映画は、シナリオ芸術協会の製作であり、脚本家であった猪俣勝人氏が、自ら得た脚本料を投じ、
映画制作をするという独立プロダクションの第一作目の作品であった。
この作品は、矢吹町とその周辺でロケーションされたものである。当然、岩手県内のロケも計画されたそうだ
が、諸事情により、実現できなかったらしい。そこで猪俣氏と同じシナリオライターで、この映画では、宣伝も
担当している矢吹町出身の大木英吉氏らの推挙により、岩手県花巻と似た環境にある矢吹町が
ロケ地に決定したと、筆者は聞いている。

矢吹町内の伝習農場(現在の農業総合センター農業短期大学校)がロケ現場となったが、
ここが農学校のイメージとして適していることが、矢吹町がロケ地に決定した最大の要因であった。

初上映時のプログラムにもある通り、この映画の内容は、「宮沢賢治」と「雨ニモマケズ」を取材したものであ
り、全くの実話映画ではなく、猪俣氏が練り上げたオリジナル作品である。
実際にあった賢治のいくつかのエピソードと、賢治の詩のエッセンス、フィクションを程よく織り交ぜながら、上
映時間41分の中に見事に凝縮されている。さすがにプロフェッショナルの仕事である。
筆者の記憶では、百周年記念事業として上映するにあたり、平成14年の夏の初めごろ、発起人である
書店経営の仲西精一氏から秋の上映に向けての話があったと思う。途中、諸問題が発生し実現が危ぶまれ
たが、この映画「雨ニモマケズ」で助監督を務め、現在縁あって矢吹町民である映画監督の
小山幹夫氏、仲西精一氏、役場関係者の尽力により上映実現に向け、諸問題がクリアされていった。
その後、「雨ニモマケズ」上映実行委員会が組織され、委員長に仲西精一氏、アドバイザーに小山幹夫氏
他三十数名のメンバーで宣伝活動が行われ、上映会当日には、小山幹夫氏と子役で出演した仲西ニ郎氏と
の対談も行われ、二回上映で1,600名余りの入場者があった。
同時に小山氏の監督作品で、平成12年(2000年)作品の文部科学大臣賞を受賞した
「いのちのあさがお」が上映された。

 映画上映の際の宣伝チラシ(裏側)

小山氏についていえば、「雨ニモマケズ」に助監督として参加当時、若干22歳であった。
後に藤田まこと氏主演のコメディー映画「一発かましたれ」で監督デビューし、TVドラマ「俺たちの旅」
「新幹線物語」、「ホテル」などの演出も手がけ、日本大学芸術学部講師も務められている。
また、映画「雨ニモマケズ」のなかには、後にアニメ「ルパン三世」シリーズで銭形警部の声を担当している
俳優であり声優の納谷悟朗氏も出演されていたし、猪俣氏と共同脚本の柴 英三郎氏は、
TVドラマ「家政婦は見た」シリーズを多く手掛ける名脚本家である。。
筆者が、この映画「雨ニモマケズ」を観て一番感じたことは、子役の演技のとらえ方がすばらしいという事である。
スタッフ共々、愛情を持って子供と接することによって、引き出された物がフィルムに焼き付けられている様に思う。
プロの映画人の映画作法というものだろうか。
余談ながら、映画終了後のB.G.Mは、筆者の独断で、歌手の吉野千代乃さんの楽曲を使わせて頂いた。
我ながら恐縮ではあるが、凄くマッチングが良かったと思う。後にライブにお邪魔した際、事後承諾を得た。
今は、本人も忘れているかもしれない。


<主なスタッフとキャスト>
スタッフ
キャスト
製  作
猪俣 勝人
撮影助手
仲沢 廉治
宮沢賢治
重森 孝司
太  市
小室八左衛門
脚  本
猪俣 勝人
久米 義男
良  作
北山 年夫
と  み
入交ひろ子
柴 英三郎
豊田  収
甲  七
納谷 悟朗
さ  よ
田山 洋子
監  督
蛭川伊勢夫
照明助手
藤田 博明
悦  二
安藤 武志
き  く
千葉真知子
照  明
田久保圭路
島津 光延
佐太郎
荻田 海尊
の  ぶ
渡辺 初子
撮  影
城所 敏夫
営業担当
鈴木 岬一
良  一
千葉 克彦
よし坊
石川きみ子
音  楽
真鍋理一郎
宣伝担当
大木 英吉
耕  助
林 英比古
助監督
征矢  茂
製作主任
柴 英三郎
善  吉
石川 正男
小山 幹夫
詮之助
藤田  優


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