水沢方面より国道397号線を東に車で1時間ほど走り、トンネルを抜けるとすぐ右手に「道の駅 種山ヶ原」があり、
左手に種山高原への道が続く。 4月中旬とはいえ、山の方へ車で登って行くと、残雪は多い。
「賢治の碑」の看板の所で車を停め、同行の雷鳴君と雪道をスニーカーで歩いていく。
雪に足をとられ、思うように先へ進まない。周りは種山特有の霧で、視界20mくらいだろうか。
ようやく、天然の岩に銅版をはめ込んだ牧歌碑の前に辿り着いた。
辺りは静寂の一言に尽きる。時が止まったかのようだ。しばらくして、雷鳴君が「熊が出そうだ」という意味合いの
言葉を発した。二人とも少し怖くなり、熊避けのつもりで圏外の携帯電話の着信メロディを鳴らして、足早に
車の方へ急いだ。
雪道に足を取られ、靴を濡らしながら、小躍りしたようになって走っている時、その言葉は筆者の口から発せられた。
「ホーホー」「ホーホー」
全く意識してはいなかった。叫んだ後、「これって賢治の口癖?」「なぜ?」不思議な体験をした思いであった。
車に着くなり、雷鳴君は「これって探索とかじゃなくて冒険ですよ」と言った。
種山ヶ原全体が、確かに不思議な空間であることは確認できた。
「江刺と宮沢賢治」のWeb上で、佐佐木匡氏も、種山ヶ原について「人間界=現実」と「異界=非現実、幻想」の
2つの世界、この境のエリアであると規定しているし、作家の畑山博氏は、童話「銀河鉄道の夜」の主人公
ジョバンニが銀河鉄道に乗り込んだ「銀河ステーション」は、JR釜石線でも羅須地人協会跡地でもなく、
ここ種山ヶ原だと言い切っていた
by Hiroyuki
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